うまく言葉が出てこないのはなんで?子どもが会話の苦手を克服するために必要な事について
子どもに話を聞いても、うまく言葉が出てこない、言いたいことが言えなくてもどかしいみたい、
うまく伝えられなくて怒ってしまう、園でのトラブルが正確にはわからないなど、
子どもがうまく話せない、会話が出来ないことで困っていませんか。
どうしてうまくお話ができないのか、会話が苦手なのか、
言葉が出てこない子の状態について、そして、
うまく説明できる、相手にわかるように上手に会話やお話できるようになるための関わり方について説明します。
言葉で説明するときには、こんな順で話します。
状況を把握する→頭の中を整理する・順序立てて考える→言葉に置き換える
この過程のどこかがうまく行っていないので、
うまく話せない、会話が苦手、ということになります。
1つずつ、見ていきます。
幼児はもともと、保育の世界では、「自己中心的な生き物」と言われています。
他人の様子や気持ちを考える、ということは難しく、
いつも自分から見た世界観で、感じたり、話をしています。
だから、そのときのことを聞いても、
自分がしたことや自分が印象に残ったことしか覚えていないため、
因果関係が分からなかったりします。
そして、状況を詳しく説明して困りごとをなくそうという考えは幼児にはないため、
自分が嫌だったことだけ聞いてもらえればいい、のです。
だから、大人が、状況を聞き出して正しく判断しようとしても、
自分が印象に残ったところしか話さず、
また他の部分は、自分の想像で補われてしまうということもあります。
なので、よくわからない話になってしまったり、会話が事実と異なることが出てきてしまうのです。
たとえば、子どもは、おもちゃで遊び始めたら、他の子にいきなり叩かれた、と思っていても、
実は他の子が使っているのを見ていなかった、なんてこともあります。
そこで、お友達は「取った」というけれど、
子どもは「取っていない」と、意見が食い違うことがあります。
子どもは全体を見渡すということがまだ難しいのです。
そういう場合は、「わざとじゃなかった」、「知らなかった」、という言葉を教えてあげると
トラブルを回避しやすいです。
言葉が遅れていると、実は状況把握自体も、うまくいかないということもあります。
それは、人間は、言葉を用いて、複雑なことを理解し、頭の整理をするからです。
実は、会話が苦手・言葉の遅れと状況把握は、実はお互いに関係が深いです。
状況把握がちゃんと出来るようになってほしい、認知、認識の知能の発達をしてほしい、と思った場合は、
言葉のほうも発達していかないと、解決しづらいのです。
状況把握がちゃんと出来るために、そして言葉で説明できる、うまく会話ができるためには、
本人が自発的に説明できるのを待つのではなく、
トラブルなどがあるたびに、それを大人の方が言葉でしっかり説明してあげることが大切です。
子どもは大人の言葉を聞いて覚えるので、大人が、声掛けをできているか、関わり方を見直してみると良いですね。
自分一人の世界から抜け出して、
周りの状況が見られるようになるためにも、
声掛けが大切です。
子どもがおもちゃに手を伸ばしたときに、
「今、他の子が使っているよ。」など、
子どもが気づかない相手の状況を
言葉で説明してあげることが大切です。
>>幼児の言葉を発達させるために親ができること |「もっと喋ってほしい」とお悩みの方へ
言葉で説明しようにも、出来事を順を追って頭の中が整理できていないと、
うまく話すことができません。
たとえば、園でおやつ作りをして、楽しかったことを話すとします。
「餃子作った!ジャム!甘かった。」
このように話したとします。
餃子とジャムが出たんだな。ということはわかりますが、
餃子とジャムになんの関係があるのか、
言葉を聞いただけでは、わからないですよね。
子どもは、印象に残った餃子とジャムということを伝えているけれど、
順を追って説明していないので、相手に伝わりません。
料理の好きな方や、子どもの趣向をよく知っているママが聞けば
わかるかもしれませんが、
特定の人でないと、子どもの話がわからない、ということは
お友達や先生に伝わらないということになってしまいます。
せっかく一生懸命話していても、
「あの子が話してること、わからない」と言われてしまっては、
残念です。
ちゃんと相手にわかるように、話せることを目標にしていきたいですね。
では、この文章の場合は、どんな文章になるのでしょうか。
こんな文章だったら、相手に伝わりますね。
「餃子の皮を、トースターで焼いたよ。
焼けたら、ジャムを塗って食べたよ。
フルーツや生クリームも乗せたよ。
美味しかったよ。」
このように、順を追って話すためには、
ちゃんと工程のあることを、普段から会話することが大切です。
>> 会話が出来ず園の出来事を話してくれない 子どもと会話を楽しむ方法
普段、既製品のおもちゃで遊んで「・・・がたのしかった。」
公園で遊んで、「公園行った。ブランコに乗った。」のような
会話しかしていないと、
順を追って話すようなこと自体がありません。
生活経験自体を、子どもの発達や成長に合わせて、
年齢相応のふさわしいものにしていかないと、
工程のある話題がないのです。
会話は、内容も大切なんですね。
>>3歳の子と会話が出来ない 子どもと会話ができない?会話にならない?| “関わり方”が言葉を育む
工程がある会話といえば、
自分で紙コップやダンボールで工作をしたり、
お料理のお手伝いをしたり、
魚つかみ・塩焼き体験のようなイベントに参加したり、
というようなことについて、順序立てて話をすると良いです。
また、絵本の内容も、起承転結があります。
絵本を理解して、内容について会話していくことも、
上手におしゃべり出来るようになるためには
必要なことです。
絵本を聞くのが苦手な子も、絵を見て楽しめるものから入り、
次第にカンタンなお話を理解して楽しむものへと進めていくと良いですよ。
>>自閉症・発達障害・言葉が遅い子にしてあげたい絵本の読み聞かせ方とおすすめ絵本
順序立ててうまく説明できない理由として、
語彙が足りないことも1つの理由です。
先程の会話を見てみましょう。
「餃子の皮を、トースターで焼いたよ。
焼けたら、ジャムを塗って食べたよ。
フルーツや生クリームも乗せたよ。
美味しかったよ。」
もし「皮」と「トースター」という言葉が分からなかったら、
どうなるでしょうか。
試しに抜いてみます。
「餃子、焼いたよ。
焼けたら、ジャムを塗って食べたよ。
フルーツや生クリームも乗せたよ。
美味しかったよ。」
となってしまいます。
話の内容が変わってしまうのがわかりますよね。
語彙が大切なことがよくわかります。
語彙というのは、このような名詞だけでなく、動詞もあります。
特に、名詞より、動詞のほうが、苦手な言葉が多いと感じます。
「焼いた」「塗った」などの言葉を知らない子どももいます。
普段から、
「作った」「やった」のような便利語を使わないで、
具体的に話してあげることが大切です。
>> 言葉が遅い子の「動詞が少ない」「やって」しか言わない理由と教えたい言葉
ことばの遅れとおとなしいや無口との違いって何?ことばが遅れると何が困るの?
無料メール講座でも、詳しく、子どもと楽しく会話していく方法についてお伝えしています。
もう読まれている方は、この記事を読んだあとに、もう一度、メール講座を一通り目を通していただくと、最初に読んだときより、よく理解出来ることと思います。
<各回の内容>
第1回 「⼦どもと話せるって楽しい!」気持ちを伝えあう会話:前編
第2回 「⼦どもと話せるって楽しい!」気持ちを伝えあう会話:後編
第3回 「わからない」「できない」って助けを求められる⼦に!
第4回 「何が分からないか」を伝えられるようになるヒケツ
第5回 絵本が分かると授業が分かる!
絵本の内容を理解してお話を楽しもう
続編 お話しの力をつけるためのこと、就学情報などを引き続きお送りいたします。
<サポート>
言葉が遅い、会話が苦手な子が上手にお喋りできるために、
ママに子どもへの話しかけ方をマンツーマンサポートしています。
遠方の方はSkypeやzoom、Lineなどのビデオ通話や電話で対応しています。
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